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今後の掲載予定 【小説】薫と紗織の出会い 【設定】薫の戦闘スタイルや人間関係など補足 【設定】紗織のプロフィール
2024/11/21 (Thu)22:23
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2013/04/24 (Wed)22:14

 薫は山の中を歩いていた。
 木々の枝が空を覆い隠し、足元には草が生い茂るばかりで道のようなものはなにもない。ただ、生まれ育った山でないことだけは察しがついた。
 あてもなく、道なき道を歩きつづける。足を止めてはならぬと、頭の中はそれだけだった。
 一心不乱に歩いて行くと、唐突に景色が開けた。
 目の前には、大きな川が流れている。
 ……川のむこうに行かなければ。
 なぜか、そう思った。
 ふらふらと誘われるような足取りで川に足を踏み入れようとした、その時だった。
「いけない!」
 鋭い声がひびき、だれかが薫の手をとって引き戻した。
 いきなり後ろから引っ張られ、薫は尻もちをつく。
「やれやれ。川を渡っちゃダメだって、キミは知っているでしょう?」
 呆れを含んだ声を聞いて見上げると、見知らぬ女性が薫を見下ろしていた。
「……だれ?」
 たずねながら、薫は目の前の女性を知っているような気がした。
 足元に届くほど伸びた髪は烏の濡れ羽色。身にまとう巫女服は着古した感じがあるが、しっかり手入れをされているのか見苦しさは感じられない。
「キミにはもみじの葉が見えない? せっかく川彩っている錦を乱すなんて、もったいないじゃない」
 女性は薫の問いを無視して、川を指差した。
 言われるままに視線を移すと、たしかに、川には紅や黄色に色づいた木の葉が数えきれないほど流れており、まるで上等な錦のようである。
「……もみじ?」
 今は夏だったはずなのに、と薫は首をかしげた。周囲の木を見渡しても、どの葉も青々としている。
 しかし、その疑問はすぐに頭から抜け落ちてしまった。薫にとっては、もっと大事なことがあるのである。
「むこう側に行かないと」
 彼岸を見やり、困った風に女性を見上げる。
 川を渡るなと女性は言うが、なんとしてでもむこうに行かないといけないのだ。
 薫の視線を受けて、女性はついて来なさいと言って歩き出した。
「回り道すれば行けるわ。案内してあげる」
 薫は立ち上がって、女性の後を追った。
 女性は川岸から離れ、山林の中に分け入って行った。

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あとがき、のようなもの

読んでいただきありがとうございました。
小説第四章になります。
次の五章と合わせてひとまとまりとなります。
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